私の王子様

寝間着を着て、千景と男湯から出る。



でも、千景は眠いのか何なのか分からないが、私に凭れて歩くので、いっその事と思いおんぶしている。



「軽いな」



とか、呟いたり思ったりしながら部屋に向かう。



千景「華~、好き」



ドキッ



好き?



本気、なのか?



………いや、開けてはいけない。



この、パンドラの箱は、絶対。



それに、華って名前の他の女と重ねてるかも知れないじゃ無いか。



しかも、私は組で千景は財閥。



千景にはもっと、可愛くて上品で、守りたくなるような、私とは正反対の、女が、似合、う。



あれ?



涙が、何で。



こんな感情、捨てないと。