どうかばれませんように…!!



私はそう祈りながら本棚の影に身を縮めた。



ガラッ



「おう、アリマか。まじめに働いてるかー?」




「佐々木先生…失礼じゃないですか?それ。

俺はいつも真面目に仕事してますよね?」




へぇ、“ アリマ ” っていうんだ、あの人…



ん…?アリマって苗字?名前?どっちだ?





「で、先生はなんで図書室に?」



「いや、ただの見回り。

教頭先生がさっき廊下を走るロングヘアの1年女子を見たらしくてな。見てないか?」




ロングヘアの1年女子…廊下を走ってたって……もしかして私のこと!?



ていうか、さっき廊下で怒られたあの人って、教頭先生だったの!?




「あぁ、そうか佐々木先生…今年は1年の担任でしたっけ」




「おう、1年E組。ったく、新入生が1番面倒なんだよな〜」



E組…?待って?それって、私のクラスじゃ…!



本棚の隙間から声のする方を見ると、やっぱり見覚えのあるスーツ姿の男の人がいた。




HR中ずっと友達と喋ってたから声どころか、名前すら覚えてなかった。


あんな顔だったんだ…髪ボサボサだなぁ。




「じゃ、しっかり働けよ〜図書委員」




「言われなくても。つーか佐々木先生こそ給料泥棒してないでしっかり働いてくださいね」




「うるせえ、かわいくねえなぁ小生意気なクソガキがよお」