午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

「あ、ありました!」



やっと見つけた冷却シートの箱から私は1枚だけ取り出し、それを持ってベッドの前に膝立ちした。


「では、失礼します」



そして有馬先輩のおでこに貼り付ける。



「…っ」



思いのほか冷たかったのか、すこし眉間にシワを寄せる有馬先輩もまたかっこいい。


…なんて言ったら追い出されるからやめとこう。



「お粥食べますか?作れますよ!」

「頭痛いしダルいから寝る。帰る時テキトーに帰って」

「え、先輩!?」



…そっか。一応病人だもんね…



私は膝立ちの姿勢から体育座りというやつに足を組み直し、先輩の寝顔をながめた。


…やったぁ、今なら先輩の寝顔を独り占めできる…!