春休みが明けて、初めて高校の制服に身を包み胸を踊らせながらバスで登校した入学式

中学からの友達と同じクラスですごく嬉しかった

出席番号順に並んで座って緊張しながら周りを伺う入学したてならではの空気感にたまらなくドキドキして、部活は何にしようかなとか考えていた

能天気な私には友達できるかなとか勉強についていけるかなとかいう心配はなかった

そこに先生がはいってきた

「えー、これから1年間君たちの担任をします有村です、よろしく」

「担当教科は数学です、男バレの顧問です」

人当たりの良さそうな中年の男の人だった

「入学式までまだ時間あるから、新しいクラスメイトと仲良くなりなー」

随分雑だなぁと思いながらも周りを見るとすでに男子は打ち解けて笑っている

流石だ…
男子ってすごいなぁ笑

女子の間ではお互いを気遣うくすぐったい空気が流れていた

「永松 ひめです、よろしくね!」

クラスで1番可愛いんじゃないかって子が口を開く

「みんな、可愛いね!」

次に発せられた言葉であ、この子は自分が可愛いのを理解してる子だと確信した

周りの子はやんわりと否定している

話すことがなくなってしまったため、私が口を開く

「入学式、緊張するねー」

私の後ろの席の子が

「えー、茉美寝ちゃうかもー」

と笑っている

柔らかい雰囲気が可愛い子だ

茉美との会話は弾み、あっという間に入学式

入学式は名前を呼ばれたら返事をするというだけのもので簡素なものだった