熱くなる瑞希を見ていたら、引いち・・・いや、クールダウンできた。



「とにかく落ち着けって。」



最優先は、瑞希をなだめることで考えがまとまる。

そうしないと本題にうつれない。

早速、俺がトーンを落として話しかける。



「瑞希、凛たんへの第一印象が強すぎなんだよ。凛たんはもう15だぞ?9歳だったのは、もう6年も前だろーが?」

「6年・・・」



それで瑞希のトーンが下がる。

若干、弱まる。



「凛、俺と離れてた6年間で、一体なにがあったんだ・・・!?親はなにしやがった!?」

「『6』年だけに、『ロク』でもないことだろう〜?」

「ざけんな烈司!!シャレにならねぇジョーダン言ってんじゃねーぞ!?」



ここだと思って茶化せば、威嚇する子猫のように飛び付いてきた。



「こっちが真面目に悩んでんに、ふざけてんじゃねーぞ!?」

「うお。怒るなよ、瑞希ぃ〜」

「うるせぇ!この馬鹿!!」



瑞希の意識が俺へと移る。

頭が凛たんでいっぱいだったのが、俺への文句で満ちる。



(こうなれば、こっちのもんよ・・・!)



これで、俺のペースで話が進められる。



(俺の手の上で踊りな〜♪瑞希ちゃん?)



〔★瑞希は烈司の罠にかかった★〕



ここぞとばかりに、本領発揮!

謝るコマンドを選択した。



「ごめんごめん!わかったわかった、悪かった!」

「あん!?マジでわかってんのか!?」

「マジだって!ごめん!お茶目した俺が悪かったって〜!」



疑う相手にひたすら謝る。

それで瑞希の熱が収まっていく。



「ホントかよ?」

「ホントだって!わかってるからさ〜?」

「・・・わかったなら、いいけどよ−・・・!」

「ああ、わかってる。」



念押しする瑞希に同意する。

無事、話の主導権確保に成功。

とりあえず、いろいろ把握してっから安心しろ、相棒?



(瑞希としては、『家族を助けない』ともとれる凛たんの発言よりも、凛たんをそんな考えにしちまった『両親が問題』だと考えてるわけだろう?)



以上の考えをもとに聞いた。