「あ。」
「吸いすぎだから没収です。」
「罰じゃなくて?」
「なんの罰です?」
「瑞希のことが好きって、俺がバラしたじゃんか?」
とたんに、耳まで真っ赤にする凛たん。
「や、やめてください烈司さん!僕、好きじゃないです!」
「凛!?」
凛たんの言葉に、あからさまに傷ついた表情になる瑞希。
しかし、次の言葉で変わった。
「大好きの間違いです!」
「凛♪!!」
凛たんの発言に、表情が明るくなる瑞希。
(あーあ。しまりのないツラしやがって・・・)
これで良いんだが、ちょっと面白くない。
(わかりやすくていいんだけど〜)
わかりやすい感情変化は、瑞希だけじゃなかった。
「ぼ、僕!買ってきたお菓子、盛り付けてきます!」
「あ。」
恥ずかしそうに言うと、俺の腕の中からスルリと逃げていく凛たん。
「烈司!」
入れ替わりで、瑞希がよってきた。
「烈司!嬉しかったが、どういうことだよ!?」
「わかる、わかる。嬉しい顔してるからな。」
(本当に・・・瑞希も天然だなぁ〜)
そんな俺の考えに気づいたのか、真っ赤な顔で瑞希が迫る。
「烈司!俺の話、聞いてるか!?」
「聞いてるよ。凛たんの『深層心理』・・・本音を聞きたいんだろう?」
うらやましいツレに、もったいぶりながら教えてやった。


