これで、にぶい凛たんも気づく。
案の定、苦笑いしながら言ってきた。
「烈司さん、その質問・・・さっき瑞希お兄ちゃんが、僕に出したクイズと同じです。」
「マジで!?」
わざと、とぼける。
会話をつなぐ。
「そりゃあうっかりだ!ニアミスだけど〜俺は聞いてないから教えてよ、ね?」
「いいですよ。」
俺のお願いに、嫌がることなく、ニコッと笑う凛たん。
優しいな、凛たん♪
大丈夫、凛たんの言いたいこと、烈司さんはわかってるよ。
(『わかってる』から言わせてね?)
「じゃあ、聞いちゃうよ〜?凛たんが助ける『家族』は、次のうち誰ですかぁ〜?『1両親、2祖父母、【3真田瑞希】』のどれ?」
「へ?」
俺の問いに、キョトンとする瑞希とは対照的に、ハイハイ!と手をあげ、目を輝かせながら凛たんは答えた。
「3番の真田瑞希お兄ちゃんでーす♪」
「なっ!?俺!?」
間の抜けた瑞希の声と、元気に即答する凛たんの声が重なる。
「俺って、凛!?」
問題の答えにされたことか、凛たんの答えになったことか、どちらに驚いてるのか。
たぶん両方だと思っていれば、瑞希が凛たんに聞いた。
「ど、どう言うことだ、凛!??」
凛たんの答えに、頭が回ってない瑞希が問う。
「さっきは『無回答です』って・・・凛は言って・・・???」
「だって、選択肢に『お兄ちゃん』がなかったんだもん。」
「え?」
凛たんは、俺の予想通りの答えを口にする。
「僕が一番に助けたい『家族』のは瑞希『お兄ちゃん』ですよ?」
「凛・・・」
「烈司さん、本当は瑞希お兄ちゃんから聞いたんでしょう?だから選択する答えだけ変えましたね?」
「バレちゃった?ごめんね凛たーん♪」
茶化しながら抱き締めれば、口のタバコを奪われる。


