私の彼はオイルの血



朝のホームルームが始まる。


彼は何年生だろう?先輩かな?


ボケっとしながら教室の窓から見える景色を眺めていた。担任の松林が私の名前を呼ぶ。「福島ー」「ハァ〜イ」いつものホームルームだ。



でも今日は違う。



彼の顔が頭から離れない。初めて男の子と見つめ合った。あんなイケメンと……思い出すだけでドキドキする。また顔が赤くなった。


それにしてもオデコが痛い。


当たったのは胸板か?


硬い筋肉。


鍛えてるんだろうな……彼の裸を想像すると益々赤くなって冷や汗が出た。



彼の鋭い目。



私は蛇に睨まれたカエル。


細マッチョな彼の裸。


冷や汗ドボドボ……


「福島、熱でもあるのか?」
担任の松林が私の事を気遣ってくれた。


「あ!だ…大丈夫です!ア…アレルギーなんです!こ…この時期花粉がきつくて嫌ですよねーアハハー!」
机に落ちた大量の汗をハンカチで素早く拭き取る。


松林は私の仕草を不審に思いながらも
「そうか……大丈夫なら良いけどな」




全然大丈夫じゃない。





また窓から外を見上げる。




彼の事が頭から離れない。