サワーチェリーパイ 6ピース

ダメだ! と英和辞典を壁に投げつけシャープペンを取る。


勉強しなくちゃいけない、いい高校に進んで医大に進み、大学院で研究をして、父の跡を継がなくちゃいけない。


僕は恋愛なんかしている余裕は無い、とにかく勉強。


手につかないながらも、必死で単語を覚えて、数式を解いて……。


その間、僕の知らない所で彼女は苦しんでいた。


クリスマス会の当日、ミサの間ルナちゃんが僕の横に座る。


祈りのために瞳を閉じて、両手を組んでいる彼女。


その祈りは何のためのものだったんだろう、必死に握りしめた手が白くなっていた。


助けを求めるように。