僕なんかのどこがいいんだ、メガネだし、坊ちゃん刈りだし。


見た目なんかに構わないから、彼女が心ひかれるはずはない。


ただ勉強を教えたお礼に誘ってくれただけで、デートなんかじゃないだろう。


でも、カレンダーの日曜日が目について仕方ない。


この日は予定なんか無いし……。


気分を変えようと、明日の支度を済ませてからお風呂に入る。


湯船に浸かりながら、窓の外を見ると、さっきと同じ満月がポッカリと浮かんでいた。


月の女神……Luna。


考えちゃダメだ。


頭までお湯の中へ沈み込むと、息を止める。


落ち着け、僕は受験生だ。


今度こそ失敗は許されない、絶対に。