サワーチェリーパイ 6ピース

「三次、ここちちゃんトコに行けよ、優勝したんだぜ」
「そうか……」
「行けば喜ぶだろ、な? 」


俺はこの時、決断を下した。


晴斗の相手をはからずも奪ったからじゃない、西工業で男として生きていくための決断を。


「優勝したんなら、別れる」
「なんでだよっ! ここちちゃん、お前が好きなんだぞ! 」
「三次、冷たいんじゃないか? 女の子には優しくしないと」


お前らが何を言おうが、俺は決めたんだ。


もう別れる、ここちと。


優勝したから、アイツの夢のジャマにならないように。


「行こうぜ、店に」
「俺、行かない」
「俺も……」
「なんだよ、ノリわりーな! 」


口ではそう言ったけれど、もうここでコイツらと別行動になった方がいい。


1人きりで、考えたいから。


ここちへの別れの言葉を……。