サワーチェリーパイ 6ピース

いや、夢がもし叶ってしまえば、アイツは違う世界に行くだろう。


それで本当にいいのか?


俺が一番今、想っている女なのに。


出会い方が最悪だっただけに、今、ひきつけられている。


そんなここちを……手放していいんだろうか。


『歌姫になりたい』なんて夢が無ければ、普通の女と同じように俺のそばでずっと守れるのに。


でも、あいつの夢は応援しなくちゃいけない。


俺は、ここちの一番近い場所にいるから。


ガラにもなく、感傷的になった俺は、その夜家には帰らず一晩中を外で過ごした。


飲み屋ではうるさすぎるから、静かな公園で、ここちの部屋の灯りを見上げながら。