サワーチェリーパイ 6ピース

サァっと立ち上がると、砂浜を走って姿を消そうとする。


しかし、次の瞬間、ズドンとコケた。


おまけに、波打ち際を走っていたものだから、見事に海水と砂でドロドロ。


「ここち、お前……」
「三次のバカ! もう嫌いだよっ! 」
「プッ……」


助け起こした時に見た顔は、頭の上に海草が乗り、マヌケそのもの。


思わず笑ってしまった、状況も考えずに。


そんな俺を見て、ここちも笑う。


「三次が笑ったの、初めて見た」


と……。


俺、ここちの前で一度も笑顔を見せていなかったんだ。


あんなにここちが笑っていたのに、いつも。