サワーチェリーパイ 6ピース

否定しようと頭を横へ振ったその時、唇に柔らかいものを感じた。


「これであきらめるね、ゴメン。三次君」


キスだった、ここちからの。


それは何だかしょっぱい味がして、見上げるとここちの大きな瞳から滴が落ちている。


「な、なにすんだよ……」
「ありがとう、じゃあ」


後姿を見せて公園から走り去ろうとするここちを、俺は無意識に追いかけて抱きしめてしまった。


なんだかよくわからないけれど、そうしたくなったから。


「行くな……」
「さ……三次君? 」
「ここち、行くな」


そして、俺は自分でキスをしてしまった。


これが、ここちと俺の始まり。