極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~


「相沢社長、お世話になっております」
「相沢社長が女性連れとは珍しい」
「可愛らしい方ですね。その方はどこかのご令嬢ですか?」

連れて行かれた何かの会場に足を踏み入れた瞬間から、代わる代わるいろいろな人に声を掛けられて。

「…ええ、彼女は私の大切な人です」
必ず突っ込まれる私に関する質問に、先ほどから彼は決まってこう答えている。

――その姿で1時間、俺の隣で笑っていてほしい。
何かお礼をさせてほしいと願い出た私に、彼…もとい相沢雪さんが口にしたのはそんなお願い事だった。

確かにしていることはその通り。
だけどこれは明らかに恋人か婚約者かなにかのフリである。

それに話しかけてくる人全員が彼のことを社長だなんて呼ぶものだから、もう本当になにがなんだかわからない。