「あの、いつまでこの態勢でいるんですか?」
「んーもうちょっと」
「もうちょっとってどれくらいですか?」
「俺の気が済むまで」

そう言ってベッドの上で後ろから私を抱きしめる雪さんは、まだしばらく私を離す気はないらしい。

「ちょっと、つけすぎちゃったかな」

背中に付けられた甘い跡をなぞるように雪さんの指先が触れ、思わず肩がびくっとする。

「服で隠れるところなので、たぶん大丈夫だと思います…」

赤くなる顔を隠すように俯くけれど、雪さんにはお見通しなようで。

「ね、こっち向いて」
「なんでですか」
「茜ちゃんの顔が見たいから」
「いやです」
「向いてくれないと…もう一回襲っちゃうよ?」
「な…っ」

思わず顔を上げてしまい、真っ赤な顔のまま雪さんと目が合ってしまう。
雪さんはいつもいとも簡単に私の気持ちを暴く。

「可愛いなぁ、もう」
そして思いきり、甘やかす。