「おはよう」
「ん…おはようございます…」

寝ぼけた目を軽く擦りながら声の聞こえた方に目を向けると、こちらに優しい眼差しを向ける相沢さんと目が合って、ふいに額にキスを落とされた。

「っ…起きてたんですね」
「うん、茜ちゃん見て、幸せ感じてた」

そう言って朝日を背に微笑む相沢さんはとても綺麗で、思わず見とれてしまう。

「そんなに見られると照れるんだけど」
「す、すみませんでもなんだか綺麗でつい…」
「それは嬉しいことだけど…それより」

そこで言葉を切ると、にやりとした笑みを浮かべた唇が耳元に寄せられる。

「そのままでいると、俺朝から茜ちゃんのこと襲っちゃいそうなんだけど」

言われて、はだけたシーツから何も身に着けていない自分の身体が覗いていることに気付いて慌ててシーツを引き上げる。

「…っ!」
「服、着ておいで。コーヒーでも入れて待ってるよ」

そう言って無造作に頭を撫でてから、相沢さんは先に部屋を出て行った。

私が恥ずかしくてベッドから出られないの気付いてたのかな…

なにもかもお見通しな大人な相沢さんには敵わない、そう感じながら私は服に袖を通した。


そして軽く支度を整えてからリビングの扉を開くと…ふわっといい匂いが鼻をかすめた。

「うわぁ…!」