「雪さん…もう」
手首を束ねてベッドに組み敷いているせいで、茜は焦れったいとでもいうように身をよじらせる。
顔を真っ赤に染めて潤んだ瞳で見上げてくる彼女は、今にも溶けてしまいそうだ。
「もう…なに?」
白い肌を吸い上げていた唇を耳元に寄せて、わざと意地悪に囁く。
「はな、して…」
「んー…まだだーめ」
にっこり微笑んでみせると、茜の目じりにじわっと涙が浮かんだ。
あれ、ちょっとやりすぎた?
「抱きつきたいです…雪さんに」
「ごめんごめん、わかった」
…本当はまだまだ足りないんだけど。
ゆっくりと押さえていた彼女の手首を解放すると、待ち焦がれたように両手が首元へと回ってきた。
ぎゅっと抱きついてくる背中に自分も腕を回して、抱きしめ返す。
「茜」
名前を呼んで、胸の中にある愛おしさの全てを込めるように言葉を紡ぐ。
顔に添えた親指で茜の頬を撫で、まっすぐに見つめた。
「ずっと俺のことだけ見てて。俺の全てで、茜のこと幸せにするから」
偶然の恋は、永遠に続く運命の愛へと変わっていく―――
FIN

