極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~

「真っ赤だけど、どうしたの?」
緩めていたネクタイをおもむろに緩めながら感じた真っすぐな視線に、思わず口元に笑みが浮かんだ。

「な、なんでもないです…行きましょう!リビング!」
さらに顔を赤くしながら俺の手を引いて歩き出そうとした彼女を、包み込むように後ろから抱きしめる。
首元に顔をうずめると、行動の意図を感じ取ったのか腕の中の背筋がハッとしたように伸びた。

「お、お水飲みませんか?シャワーとかも先に浴びた方が…」
「よくわかったね、でも…だめ。今すぐ欲しい」

触れた部分から上がっていく体温のすべてが心地よくて、もう少しだって離したくなくて。
可愛すぎる彼女の前で働かない自制心のせいにして、思いのままに茜を求めていった。


…そのまま眠りについた真夜中。不意に喉の渇きを覚えて俺はゆっくりと目を覚ました。
隣で眠っているはずの茜の姿がなく、少し開いたドアの隙間から寝室に光が差し込んでいる。

茜…?

昨夜加減もせずに彼女を抱いてしまったことを反省させる頭の痛みを感じ始めたところで、リビングの方から微かな話し声が聞こえてくることに気が付いて。

電話…?こんな時間にいったい誰と…

「雪さん、喜んでくれるといいんだけど…」

…俺?
耳に飛び込んできた自分の名前に徐々に目も覚めて、しばらく聞き耳を立ててみる。

「っ…」
事の成り行きを察してしまい、思わず口元を手のひらで覆った。

…いったいどこまで俺のこと、幸せにしてくれるつもりなんだ?
知るはずのなかった茜の秘密を知ってしまった俺は、年甲斐もなく気持ちが浮きたつのを感じていた。