それから少し仕事が立て込んでしまい、なかなか茜と会う時間を作れないまま数日が過ぎた日のこと。
…茜?
社内での仕事を終えて取引先との会食に向かう車の中、なんとなく眺めていた景色の中に飛び込んできた姿に思わず目を見開いた。
「どうかしましたか?…あれは、茜さまと御堂さん?」
隣に座るユウからもそれは確認できたようだったけれど、少し離れていることもあってか茜たちがこちらに気付く気配はない。
「大人の余裕もそろそろ危ういといったところですか?」
「…そうかもな」
窓枠に頬杖をついたまま零れた言葉は、ほとんど無意識なものだった。
…そうして表面上はそつなくこなした3件の会食のあとのこと。
「全く…お前は心配しすぎなんだよ」
「途中で倒れられても困りますから」
玄関先まで着いて行くと言って聞かなかったユウからようやく鞄を受け取ろうとしたとき、不意に見慣れたヒールがあることに気が付いた。
「雪さん!」
「…茜?」
それが茜のものであることを認識するのとほぼ同時に、いるはずのない彼女の声とこちらに向かってくる足音が聞こえて。
「俺が呼びました」
なんでここに…そう尋ねるより先に、俺の心内なんて見透かしたかのような声が響いた。
…茜?
社内での仕事を終えて取引先との会食に向かう車の中、なんとなく眺めていた景色の中に飛び込んできた姿に思わず目を見開いた。
「どうかしましたか?…あれは、茜さまと御堂さん?」
隣に座るユウからもそれは確認できたようだったけれど、少し離れていることもあってか茜たちがこちらに気付く気配はない。
「大人の余裕もそろそろ危ういといったところですか?」
「…そうかもな」
窓枠に頬杖をついたまま零れた言葉は、ほとんど無意識なものだった。
…そうして表面上はそつなくこなした3件の会食のあとのこと。
「全く…お前は心配しすぎなんだよ」
「途中で倒れられても困りますから」
玄関先まで着いて行くと言って聞かなかったユウからようやく鞄を受け取ろうとしたとき、不意に見慣れたヒールがあることに気が付いた。
「雪さん!」
「…茜?」
それが茜のものであることを認識するのとほぼ同時に、いるはずのない彼女の声とこちらに向かってくる足音が聞こえて。
「俺が呼びました」
なんでここに…そう尋ねるより先に、俺の心内なんて見透かしたかのような声が響いた。

