極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~

「茜の気が済むまで見守ってあげたいところだけど」
「彼女がまだ話したがらない様子だというのであれば、そうするのがいいかもしれませんね…ただ」
「ただ?」
「たまには素直になってもいいと思いますけど」

参ったな、こいつにそんなこと言われる日がくるとは…

「男はいくつになっても、好きな子には良く思われたいもんだろ?」
「まぁわからなくもないですが」
それから一呼吸置いたあと、ちらっと目線を上げたユウが冷静な声で言い放つ。

「あんまり余裕ぶって言葉にしないでいると、茜さまにも愛想尽かされますよ」
「お前は喝の入れ方も厳しいな…」

それからどこかに届け物があると言ってさっさと部屋を出て行ってしまったユウに取り残され、一人になった俺は少し考えてから携帯電話を手に取った。
スクロールした画面に表示された名前をタップしてから彼が電話に出たのは、数回の呼び出し音のあと。

「珍しいわね、雪がそんなこと相談してくるなんて」
話を黙って聞いてくれたあとに発せられた耀さんの言葉に、ハッとする。

今までの俺だったら、こんな風に誰かに頼ることなんてしなかったかもしれない。

「茜のことになると、余裕ないみたいで」
「…なるほどね」

零れた言葉は、本音だった。
他人と適切なコミュニケーションを取ることに関して困ったことはなかったはずなのに…相手が変わるだけで、こんなにもいろいろと考えてしまうものなのだろうか。