極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~


槙くんの渡米と、里香さんの結婚と事務所からの独立が世間を賑わせてから2週間。

週末にある会社のパーティーに一緒に出席してほしい。
…そう頼まれた私は、前日である今日から雪さんの部屋に泊まりにきていた。

あれから少し仕事がバタバタしていたから、ゆっくり会えるのは久しぶりだな…
そんなことを考えながら緩やかに湯気が立ち上るコーヒーを注ぎ終わったところで、後ろから抱きすくめられて。

「はー、やっと一緒にいられる…」
深く息を吐きながら私の髪に顔をうずめる雪さんがなんだか可愛くて、自然に笑みが零れていく。

「雪さん、…雪さん?」
「…!」
返事がなくてもう一度呼んだ名前に、ハッとしたように雪さんが顔を上げた。

「ごめんごめん、少しぼーっとしてたみたい」
すぐににっこりと微笑んだ彼の表情はいつもと変わらないようにも見えたけれど、やっぱり少し心配で。

「何か私に出来ることがあればいいんですけど…」
「こうやって一緒にいてくれて、明日も俺の予定に付き合ってくれて…それだけで十分だよ」

いつもよりも甘ったるい声で囁く柔らかい唇が耳たぶに触れて、思わず肩が震えてしまう。
そんな私の様子に小さく笑ったあと…何かを思いついたように雪さんの瞳が光を宿した。