極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~

「さっきのわざとですよね」
「ん、なんのこと?」

雪さんの家のリビング。
ソファに腰かけるなりそうぼやいてみるけれど…彼はいたずらっこみたいに肩を竦めるだけだ。
そんな仕草すら、もう愛おしい。

「里香の前で茜の事が大切だって宣言したら、なんだか茜の気持ちがわかる言葉も聞きたくなって」
「だからってタクシーの中でしなくても!」
「あはは、ごめんごめん」

蒸気する顔を隠すように目の前の胸をポカスカと叩いてみる。
けれど彼には全く効き目がないようで、くすくすと笑いながら軽々と受け止められるだけだった。

「それじゃあ最終手段です」
「え?…っはは!それは卑怯…」
「お互い様です…って、ぅわ…っ」
「!」

思いのほか効果抜群だったくすぐり攻撃で追い打ちを掛けようと身を乗り出した私は、バランスを崩してそのまま上に覆いかぶさるようにしてソファの上に雪さんを押し倒していた。

「っ、びっくりした…」
後ろに倒れこみながらもしっかり私のことを抱きとめてくれた雪さん。そんな雪さんの肩が微かに震えだす。

「…今日はなかなか積極的だね?」
「調子に乗りました、ごめんなさい」

素直に反省の言葉を述べると、堪えられない笑いを零しながらも両手でぎゅっと抱きしめてくれる。

あぁ、好きだなぁ…

こんなたわいのない時間すら幸せで、ささいなことでも一緒に笑い合える。
愛しい気持ちを伝えるように、優しい笑みを描く唇に自分からキスをした。