「色言葉ってご存知ですか？花言葉みたいに色にも色言葉っていうのがあって…オレンジの色言葉が、これです」
ポケットからスマホを取り出して、以前に見つけて保存していたスクリーンショットの画面を開いて見せた。

「陽気、幸福、誇り、野心、忍耐…」
「初めて里香さんに会った時、なんて温かく笑う人なんだろうって思いました。一緒にお仕事させてもらって、どんな小さなことにも妥協することなく取り組んで、周りのスタッフへの感謝を忘れない人なんだなって思いました」
「茜ちゃん…」
「何事にも誠意をもって携わっていく里香さんだから、みんなに愛されているのだと思います。仕事のために取り繕った自分だけでこんなに輝けるはず、ないと思います」

思いを込めてそう一息に伝えたあと…目の前の里香さんの驚いたような顔に気付いて、はっとする。

「っあ、すみません！私なに偉そうなこと…」
「…ううん」
少しの間を置いて、穏やかに細められた目の前の瞳が真っすぐに私を見つめた。

「やっぱり茜ちゃんに担当してもらえてよかった。…ありがとう」
ほんの少しだけ頬を染めて微笑む里香さんの笑顔は、やっぱりとても綺麗だと思った。

実際に話してみるまで、わからなかったことがたくさんある。
実際に話してみて知った里香さんの魅力が、たくさんある。

それを読者の人に伝えられるように精一杯努めようと、改めて気合が入った。