ただ振り向いてほしかった




「あ、おれは1組だ。んでーおまえはー、、
ん?あ、おまえも1組だぞ。」




「うそだあ、うそだと言って。」




「うそじゃねえよ。なんでこんなことに嘘をつかなきゃならんのだ。」





「つきかねないじゃん!」





「ちなみに、おれら以外みんなバラバラだよ。誰ひとりかぶってない。」






信じられない!また皐とおんなじクラス!?
しかもわたしらだけなの!?





腐れ縁にも程があるよねほんと。





でも一緒のクラスでほっとしてる自分もいるんだよね…
不覚だよ、なんか悔しい。





そうも言ってられず、お母さん達と一緒に書類の確認をして教室に向かった





席が黒板に書いてあって、自分はどこかなあなんて探したら廊下側の一番前の席だった。




皐は廊下側から3列目の前から2番目だった。




わたしの周りの人はみんなそれぞれ話し始めていて、完全に出遅れていた。





こんな入学式からみんな喋るの!?
わたしついてけてないよ!どうしよう!




助けを求めるように皐の方を向くと、目があってそこで話し始めてしまった。





「おまえ1番前じゃん(笑)」




「そういう皐も2番目じゃんか!」





「1番前じゃないからいいんだよ!」




どういう基準だよ!意味わかんないし!




でも不安だった気持ちはどこかに飛んで行ってて、むしろ安心したような気がした。