ただ振り向いてほしかった





「何組かなあ。ゆいちゃんたちと同じクラスなれるかなあ。」



ゆいちゃんたちとは、中学が同じの子たち。
同じ中学からは4人しか来ていないのだ。




「確率的にほぼほぼむりだろうな。」



「なんでそういうこと言うの!!
ひどいよ皐!」



「しょうがないだろ?12クラスもあるんだからさ。」




こうやっていつもいつも皐は、わたしの夢を壊す。



なんてやつだ!!




「あ、おい!そう怒んなって!」




もう抜かしてっちゃおうと思ってスピード上げたけど、皐のほうが全然速くてすぐ追いつかれてしまった。





30分ほどで学校に着いた。




入り口にある入学式の看板に行列ができていた。




「愛依!おれらも写真撮ろうぜ」



「撮ろう撮ろう!!」




10分ほど並んで順番がまわってきた。



後ろの人に携帯を預けて写真を撮ってもらい、確認をした。



「ありがとうございます!!」




お辞儀をしてその場を後にすると、






「愛依、皐くん」




「お母さん!」




後から来ていたお母さんと皐のお母さんに会った。




みんなでぞろぞろクラス表を見に行ったのだが、身長が153cmしかないため中々見る事ができないでいた。



「相変わらずちびなのな。」





「うっさい!ちびじゃないし!」




「いいからいいから。おれが見てやる。」





ちっ。178cmもあるのっぽめ。