ただ振り向いてほしかった





「そっか!じゃあ休みの日とか遊んだりしようね!」




「え!いいの!?」




まさかのまさか、柚希からそんな話してくれるなんて〜〜!!



「もちろんだよ!」




「柚希ありがとーーーーう!!
なんでかみんなわたしのこと遠回しに見てて友達できないかと思ってたーーー!」




しくしく、と泣き真似しながら言うと

柚希は一瞬きょとんとした顔をしたがすぐに戻って、ぷっ、と笑った。




「なにそれ(笑)愛依ってば鈍感なんだ?」




「へ?」



なになになになに。



ドンカンってナニ?
どゆことー?理解できなーいー!




「愛依が可愛すぎるから近寄れなかったんだよみんな。
知らないの?
愛依もう既に有名人だよ?」




なにそれ!
ユウメイジン?
なんで!?




「可愛くないし!」





「はいはい(笑)
なんだか今日初めて話したって気がしないなあ(笑)」





「それはわかる!!!」




いつの間にか行列だった教科書販売の列の先頭に来ていた。




わたしたちのクラスは美術クラス。



12クラスあるうちの5クラスが美術。
残りの6クラスが音楽クラス。



美術クラスには男子が半数以上を占めていて正直心配。




でも!柚希っていう正真正銘の友達ができたからもう大丈夫!!





「よし!じゃあ教室戻ろーう!」




やっと買い終わって教室に進みだした。