不良vs干物女

薫の顔ってこんなにも整っていたんだと今になって思う。


冬のあの日に私はこの人に出会ったんだ。


フードを目深にかぶって絶望に見たあの顔をしていた薫に。


でも今は笑顔で溢れてる。


退院後。


「おはよっ!美麗!」


その声に振り返ると前にいた前髪お化けはどこに行ったのか笑顔の眩しい前髪をピンで止めた薫が立っていた。


私は嬉しくなって薫に駆け寄る。


「薫っ!おはよ!」


そう言って抱きしめると薫は嬉しそうに微笑んだ。


「もう離さないから覚悟しとけよ?」


少しうざくてでも笑顔が素敵で喧嘩は守るためにしかしない私の愛しい人。


最初出会いは最悪だったけどそんなのどうでもいいよね?


だって今はこんなにも楽しくて幸せだ。