不良vs干物女

その姿がなんだか可愛くて私は薫を抱きしめた。


「よかった!!本当に良かった。」


そういうとびっくりしたのか固まっている薫がいた。


でもその後で薫はつぶやいた。


「俺、生きてんのか。俺、クズだな。特にやりたいことないし。」


そう呟く薫の頬を掴んでいう。


「薫はクズじゃない!クズなんかじゃないよ!助けてくれたじゃん!何か見つかるよ!きっと!薫なら見つかるよ!」


そういうと薫は私の頭をそっと掴んで自分の方に近づけさせる。


「あった。まだやってないこと。」


その目が私を見据える。


「え?」


私は不思議に思って聞く。


「美麗に好きって俺から言ってない。」


そう言って私にゆっくりキスを落とした。


「取り込んでるとこ悪いけど私もいること忘れてない?」


薫のお母さんが笑いながら言う。


「母さん!来てたのかよ!」


そうすると薫のお母さんは薫の頭をごつく。


「ったく心配ばっかりかけて。こんな可愛い彼女いるならしっかりしなさい!過去とはきちんとけじめをつけて前を向くの!」


薫は少し考えてからゆっくりうなづく。


「もう逃げないよ。」


そういうと薫は前髪を上げてピンで止めた。