去年の冬ぐらいかしら?
「俺、あんな女初めて見た。」
薫は確かにそう言った。
とても優しい笑顔で。あの子の顔を私は初めて見たの。
「俺のこと怖くないって。怪我した俺にわざわざ絆創膏買ってきてベタベタ貼って遅刻するとか言って学校向かってやつ。」
でもうざいなんて思ってないみたいだったな。
案外楽しそうに話してる薫を見た。
その後から変な連中とは付き合わなくなって真面目に学校にも行き始めたけど。
そう続けて。
「薫が前髪を伸ばす理由は有名だからよ。悪い意味で。その姿を美麗ちゃんとか他の友達が知ったとき離れていってしまうと思うから前髪は切りたくないって言ってた。」
そうだったんだ。
「そうだったんですね。あの…!」
そう言いかけた時病院の先生が屋上に走ってきた。
「向井さんが!!!!」
病室へ行くと普通に起き上がって私を見た薫が笑った。
「おはよ!美麗!」
呑気にいう薫に私は怒りが芽生えた。
「あんたね!!私がどれだけ心配したと思ってんの!」
そう言って手を振り上げると薫は目を瞑る。
「俺、あんな女初めて見た。」
薫は確かにそう言った。
とても優しい笑顔で。あの子の顔を私は初めて見たの。
「俺のこと怖くないって。怪我した俺にわざわざ絆創膏買ってきてベタベタ貼って遅刻するとか言って学校向かってやつ。」
でもうざいなんて思ってないみたいだったな。
案外楽しそうに話してる薫を見た。
その後から変な連中とは付き合わなくなって真面目に学校にも行き始めたけど。
そう続けて。
「薫が前髪を伸ばす理由は有名だからよ。悪い意味で。その姿を美麗ちゃんとか他の友達が知ったとき離れていってしまうと思うから前髪は切りたくないって言ってた。」
そうだったんだ。
「そうだったんですね。あの…!」
そう言いかけた時病院の先生が屋上に走ってきた。
「向井さんが!!!!」
病室へ行くと普通に起き上がって私を見た薫が笑った。
「おはよ!美麗!」
呑気にいう薫に私は怒りが芽生えた。
「あんたね!!私がどれだけ心配したと思ってんの!」
そう言って手を振り上げると薫は目を瞑る。

