2人とも照れてるけどすごい楽しそうでなんだか微笑ましいなと思っていると薫も走っていた。


薫もカードを引いて応援席に来て私の手を掴むと走り出す。


「えっ!ちょっと!」


そう言っているけど聞く様子はないから引き返そうとすると薫は私に言った。


「チームのためだから許して!」


そう言うと薫は楽しそうにぐんぐんスピードを上げて一位をとった。


「お題ってなんだったの?」


「うん?それはね大切な人だよ!」


そんなまっすぐ目を見て言われたら照れてしまう。


「あれ?美麗照れてる?」


そう言う薫を私は軽く叩いて次の競技へ送り出した。


ったくあの馬鹿は馬鹿!と叫びたくなった。


でも応援合戦もそのあとの競技も順調に進んでいた。


体育祭ってこんなに盛り上がるんだと思った。


そしてこんなに楽しいんだなって思った。


「なぁ!向井!もともと出るメンバーが足怪我してクラス対抗リレー出れなくなったから代わりに出てくれない?」


「種目出る代わりに美玲のキスがないと力でない!」