私が家に帰ると麗音は夕飯を作り終わったあとらしい。


「おかえり。美麗ねぇーちゃん!待ってたんだから食べよ?」


こういう時の弟の存在は本当に大きいと思う。


なにも聞かずに察して普通に接してくれるから私はどんな失恋からも立ち直れてきたと今になって実感する。


「おっ!麗音今日のご飯はなに?」


空元気で私が言うと麗音は同じくらいのテンションで話をしてくれる。


「今日はロールキャベツ!!」


「嬉しい!じゃあ食べよ!」


そう言って2人で食べ始めたとき緒食べただけで私は涙が溢れてきた。


麗音は私に背を向けてご飯を食べ始めた。


私が気にすると思って思いっきり泣けるようにだろう。


「私、薫にうざいからもう来るなって言われちゃって。絶対に好きになることなんてないと思ってたけどここまで傷つくなんて思わなかった。」


ぽつりぽつりと話す私の話を麗音は相槌を打って聞いてくれる。


「美麗ねぇーちゃんね俺にとって自慢の姉だよ。最近めっちゃ美人になって友達とか先輩とかに褒めてもらえて俺、すげー嬉しい。だからあんまり考えずに新しい恋見つけな。」


それは麗音が言ったどんな言葉よりも私の心を温かくした。


ありがとう。麗音。


夜、私は小夏の家に遊びに行った。