暑い夏の日に私は一足先に東京の美容室にいた。


「あれ?美麗ちゃん?涙のあとすごいけどなんかあったの?お兄さんなんでも聞くよ?」


そういう向井さんの言葉にも笑うことはできなかった。


「好きな人と会えないことになっしまったんです。大好きなはずなのに。素直になれない。」


そう言ってなく私に向井さんは言った。


一息つくと向井さんは笑顔で言った。


「それじゃあ美麗ちゃんに魔法をかけてあげる。元気の出るおまじない。」



そして数分後私はヘアアレンジをされていた。


どこかのお嬢様のような髪型。


「ちょっと出かけませんか?」


そう言って向井さんは休憩ついでに私を連れ出した。