私はそのあとお爺様に事情を話し了承を得た。


「とりあえず今は友達と旅行してるからお寺までお願い。」


そう呟くとかしこまりましたという返事と共に車は動き始めた。


さようなら。薫。たぶん好きだったよ。


お寺に着くと小夏と雪弥くんと旭に出迎えられた。


「ごめん。今は1人で色々考えたいから。」


そう言ってあとの説明は翠に任せることにして私は自室へと戻った。


あのとき私といなければ薫はあんな傷を追わなくて済んだ。


どうして…薫は私のこと好きなわけでもないのに。


そう思うと涙が止まらなくてそのまま寝てしまった。


翌日、小夏に聞くと翠から事情を聞いたことを話してくれた。


もちろん私が三国家の令嬢だということも話したのだろうけど小夏は普通に私と友達としての会話をしてくれた。


「バカなの!???なんのための友達なの!私そんな頼りない?」


そう聞かれて私はうつむくことしかできなかった。