不良vs干物女

薫は目をつぶってスヤスヤ寝ている。


なんて綺麗な顔なんだろう。


この人の目をまだきちんと見たことがない。


前髪にかかる神にそっと触れ横にゼラスト綺麗な二重と長いまつ毛が見えて。


数年前自分が薫に言った言葉は間違っていなかった思った。


私は手紙を書いてその場を後にした。


翠に車で送ってもらうことにする。


「翠…!怪我してる!」


腕から血が流れている。


「このくらいかすり傷ですよ。」


笑ながら呟く翠に私は手を引っ張って屋敷へともう一度戻りメイドさんに救急箱をもらって手当てをし始める。


「このくらい平気ですのに。美麗お嬢様を守れたのなら俺はそれでいいんです。」


まっすぐ見つめられ少しドキドキしてしまう。


翠もイケメンだ。長身ででも物静かそうな雰囲気は大人っぽさを感じさせる。


「もう大切な人に危険な目にはあって欲しくないの。」


静かに呟くと私の頭に手を乗せて頭を撫でてくれている。


「お嬢様の家は高級マンションの最上階になりました。送り迎えは私が行います。」


いきなりの翠の発言に私は目を丸くする。



「何言ってるの!???」



「お爺様からのご命令ですので。私からは何も。」


お爺様はいつだって強引だ。



「送り迎えは嫌だからうちの高校に翠が転校してくればいいと思う。」


そういうと今度は翠が目を見開いている。