不良vs干物女

みんなに一言言って私は旭の後をついて行った。


少し離れた公園で2人でベンチに座る。


京都夜の夜景は昔と変わらず綺麗で変わったのは私たちが歳をとってここに二人で並んで座っているということ。


私はこっそり旭の顔を盗み見た。


旭の黒髪が風に揺れていろっぽく見える。


「なぁ美玲はさ小さ頃ほんまに俺のこと好きでいてくれとったんか?こないだ近所のおばさんに聞いたんや。」


その言葉に私は下を俯く。


「それは…そのときは好きやったよ。ほっとけないっていうかなんか可愛くて!」


そう言って私が笑っていると朝日は私を自分の方に顔を向かせ顎を持ち上げた。


「ほんまに?ただそれだけ?」


その色っぽい瞳をずっと見ることができない。


「旭はかっこうようなった。だから他あたり?私が言いたいんはそれだけ。昔のことなんて忘れたわ。」


そう言って私は旭の手をゆっくりと下ろしてその場から走り去った。


涙が見えないように。