俺が知ることがない真実を。


旭の父親はとても厳しくて姿勢からマナーから全てを旭に叩き込み常に文武両道であることを教えていた。


父親には歯向かえなかった旭にとってその頃の美麗ちゃんは宝石みたいにキラキラしてたらしい。


父親の旭をレールの上を歩かせる人生をやめさせたのも美麗ちゃんだから。


「ど、どういうことだよ。」


「美玲ちゃんが三國家の着物を着て本郷家にやってきたらしい。そのとき美麗ちゃんはとても綺麗な作法と佇まいで挨拶をしたんだと。」


どんな?と聞こうとしらそのことを察したのか話を続けてくれた。


「いつもお世話になっております。三國家の三國 美麗と申します。いきなり押しかけて大変申し訳ないと思ってます。しかし旭はんはしっかりしてます。もうそろそろ人生のレールを広げてあげてはいただけませんか?そう言って深々とお辞儀をしたらしい。」


そう言い終わったとき俺はびっくりした。


美麗がご令嬢?


旭の特別な存在。