泣きそうな美麗の頭に手を乗っけて一言しか言えなかった。


「どうせまだ合宿は続くんだし会いに行けば?」


こんなことが言いたかったわけじゃないけど自分のダサさに心底嫌になった。


俺は部屋に帰るなり布団にダイブする。


その様子を見た雪弥が俺にゆっくり話しかけた。


「さっきの人俺知ってるよ?」


俺はその言葉に布団からパッと顔をあげて雪弥に詰め寄る。


「雪弥!あいつのこと教えろ!」


雪弥は苦笑しながら教えてくれた。


「彼は本郷 旭。本郷家の長男で一人息子。美麗ちゃんとは昔幼馴染だった。」


それでと目線を怒ると一息つ当て雪弥はぽつりぽつり話し始めた。