薫サイド
俺は美玲を見つけて駆け寄ると他の男と楽しそうに話す美麗が見えた。
俺はわざと声をかけると美麗は少し嫌そうに俺が抱きつこうとするとそれを必死に防いだ。
でも長身で爽やかという言葉が似合う背筋が伸びたそいつはゆっくり美麗を抱き寄せた。
俺に見せつけるように。
「すんませんけど美麗は絶対渡せへんよ?」
優しい物腰なのに目は笑っていない。
京都の人は物言いがきついっていうけどきっとこういうことなんだろうなと思った。
美麗に話を聞くと旭と言われたその人との昔の記憶を思い出しながら切なそうに話し始めた。
俺は最後まで聞けなかった。