私と薫はびっくりしすぎて声が合わさった。


「そんなん聞いてへんよ?」


私が不思議そうに言うと旭は笑いながら言う。


「お母さんにはきちんと言ったよ?」


「え!?そうなんか?初めて知ったわ!」


私が笑っていると旭は私の隣にいた薫を見据えた。


「こちらのイケメンはんはどういうご関係なんや?」


「これは友…」


そう言おうとしたところで薫は私の方を抱いていった。


「これから美麗の彼氏になる予定だよ!」


そう言って私を抱き寄せると旭はで見たことのないような怖い顔をしていた。


「すんまへんけど美麗は絶対渡せへんよ?」


私は思わず顔を上げる。


すると旭は私の目をまっすぐ見ていった。


「また!連絡するね?ほなまた!」


そう言って背筋の伸びた姿勢で京の町へと旭は消えていった。


旭カッコよくなったな。


あんな顔を初めて見た。


きっと変わったのかな。旭も。