そのあと俺は京都の有名な庭園へと向かった。


森林が生い茂る公園はとても綺麗でそこに行くと美麗も立っていて俺を見て慌てて違う方向を向く。


「美麗?」


恐る恐る近づけば美麗は俺に何かを渡した。


「これ!あげる!!べ、別に薫のこと思って作ったわけじゃないけど!」


素直じゃない不器用な美麗のプレゼントを受け取り俺はそのまま美麗の腕を掴んでそこにブレスレットをつけた。


「これは美麗のこと考えながら作ったんだけど?」


そう言うと美麗は少し微笑んだ。


耳は少し赤くて浴衣を着ているせいからはいつもより色っぽく見えた。


「ここ特別な場所だから何かあったらここ来て会えるね!」


そう言う美麗に俺はうなづいた。


その後俺たちもみんなと合流して合宿のところへ戻って廊下掃除を始めた。


「なんでこんなことしてんのー。」


そこでまた駄々をこね始める薫をよそ目に私たちは黙々と床磨きをした。


そのあとは男女に分かれてお風呂。


お風呂場では。


「ねぇ美麗、本当は気づいているんでしょ?自分の気持ち。」


小夏に言われて考える。


わかってないわけじゃない。


でもきっと勘違いだ。


「な、なわけないじゃん!やだーな小夏。」


笑いながらごまかす私に小夏はそれ以上は聞いてこなかった。