古い町並みに心地よい風が私たちを横切る。


舞妓さんやお坊さんが行き交う中でその町は昔ながらの風景を残していた。


「あれこのお店可愛い!ゆきちゃん!入っていい?」


そう言われた雪弥くんは少し照れながらうなづく。


なんだかんだ初々しいカップルだな。


みんなで入ったお店は小物屋さん。


かんざしやキーホルダーなのが売っていて手作りもできるそう。


「ってなわけで早速みんなで手作りのキーホルダー作ろうぜ!まぁキーホルダーじゃなくてブレスレットなんだけどさ。」


言い間違いした雪弥くんをさっと慰める小夏がなんだかいつもと違って可愛く見えた。


二手に分かれると当然カップルでくっつくから仕方なく香ると私で組むことになった。


普段だったら嫌だけどあの2人も楽しんでるみたいだし邪魔するのも悪いからここは諦めよう。


「じゃあお互いのイメージで作ろうよ!」


その一方でノリノリな薫は早速作業を始めていた。


京織物を使ったブレスレット。


たくさんの色がある。