「男の子に触っちゃったの!!
なのに……蕁麻疹が出てないのッ!」
私は天使のような姿の男の子を指して言った。
男の子は意味が分からないといったように首を傾げていた。
「嘘でしょ……治ったの!?」
沙央里はびっくりと顔に書いて呟いた。
そして、男の子に向き合うと、真剣に尋ねた。
「本当に、男の子なんだよね?」
沙央里の様子があまりにも真剣だったからか、彼は「男だよ」と静かに答えた。
「本当に……?
信じられない………
治ったの?私」
呆然と呟く私に、沙央里は「やったじゃん!!」と抱き着いて来た。
私と沙央里が喜びに抱き合っていると、「何なんだよ」と私たちを睨んだ。
普段なら萎縮してしまうだろう眼光の鋭さだが、今は喜びの為か恐くはなかった。
でも、いきなり喜んでちゃ変だし、女の子だって間違えちゃったのも怒りたくなるよね。
やっぱり謝って説明するべきかな。

