私は説明をするために口を開きかけた。
「あの……」
「このコは春日満留。こんなに大騒ぎしてるのはこのコが男性恐怖症で男のコに触ると蕁麻疹がでる体質だったから。あなたに触ったのに蕁麻疹が出てないのよ」
説明下手な私に代わって沙央里が男の子に説明してくれた。
「ふぅん、よく知らないけど良かったね」
男の子はたいして興味もなさ気に呟いた。
「君、何て名前?」
沙央里が男の子に尋ねた。
「俺は……」
「姫ーっ!!!」
ん?姫?
私が大声に驚いていると、大きな男の子が天使のような男の子に抱き着いて来た。
私と沙央里がア然としている中、突然現れた栗色の髪の長身の男の子。
笑う度に出来るえくぼが可愛いらしい。

