大切なキミの一番になりたかった。

一馬のメッセージに複雑な思いがこみ上げてくる。

“ごめん”の意味も、“ありがとう”の意味もわかるからこそ余計に……。

逃げるように去ってしまってごめん。今までありがとう。一馬はそう伝えたかったんだよね?

でも一馬……それはちゃんと顔を見て伝えてほしかったよ。こんな別れ、あんまりだ。

ユウくんも同じことを思っているのか、紙を持つ手が震えている。


「知花ちゃん、勇心くん。今まで一馬と仲良くしてくれて本当にありがとう。今後は私たちがしっかりあの子を立ち直らせるわ」

「ふたりとも、元気でな」

涙を流しながらそう告げ、おじさんとおばさんは去っていった。


私とユウくんはふたりが乗った車が見えなくなった後も、お互い口を開くことなく立ち尽くしたまま、どちらからともなく手を繋いだ。


こんな別れ方、最低だ。……一馬はもう二度とここには帰ってこないつもりなんだよね? だからあんなメッセージを私たちにくれたんでしょ?

走馬灯のように四人で過ごした思い出が頭の中を駆け巡っていく。