大切なキミの一番になりたかった。

「お荷物は以上でよろしいでしょうか?」

「はい、よろしくお願いします」

私とユウくんが着いた時、ちょうど引っ越し業者が最後の荷物を積み終えたところだった。

深々と頭を下げたおじさんとおばさんは、私とユウくんに気づくと目を丸くさせ駆け寄ってきた。

「勇心くん……? もう大丈夫なの?」

「まだもうしばらく退院はできないと聞いていたんだが……」

入院中のはずのユウくんに、ふたりとも困惑した様子。そんなふたりにユウくんは苦笑い。

「えっと……どうしても一馬を見送りたくて、その……外出させてもらったんです」


しどろもどろになりながらも説明すると、おばさんたちは「そうだったのね」と納得してくれた様子。なのにふたりは困惑するばかり。

どうしたんだろう。それに一馬はどこ? まだ家の中なのかな?

「あの……一馬は?」

不思議に思い聞くと、互いに視線を落とした。

その姿にユウくんと顔を見合わせてしまう。

するとおじさんが言いにくそうに話してくれた。