そう言うと向けられた、いつになく厳しい表情に緊張が増してしまう。
するとおばさんは私の瞳を捕らえたまま、ゆっくりと話し出した。
「美野里ちゃんが亡くなってから、一馬はずっと部屋に閉じこもったまま。部屋を出るのはトイレや食事、お風呂の時だけ。……時間が経てば、今までのように元気になるはず。最初はそう思っていたんだけど……夏休みもあと少しで終わるっていうのに、一向に変わらない。あの子にとって、美野里ちゃんとの思い出がたくさんあるこの場所にいるのは酷なのかもしれないわ」
一呼吸置くと、おばさんは耳を疑うようなことを言った。
「主人と話し合って、家族で田舎に帰ることに決めたの。それが一馬のためだと思うから。……あの子も納得してくれたわ」
「――え……」
突然のことに頭の中が真っ白になる。
田舎に帰るってことは、つまり引っ越すってことだよね? 一馬……転校しちゃうってことだよね?
声にならずただおばさんを見つめることしかできない。
するとおばさんは私の瞳を捕らえたまま、ゆっくりと話し出した。
「美野里ちゃんが亡くなってから、一馬はずっと部屋に閉じこもったまま。部屋を出るのはトイレや食事、お風呂の時だけ。……時間が経てば、今までのように元気になるはず。最初はそう思っていたんだけど……夏休みもあと少しで終わるっていうのに、一向に変わらない。あの子にとって、美野里ちゃんとの思い出がたくさんあるこの場所にいるのは酷なのかもしれないわ」
一呼吸置くと、おばさんは耳を疑うようなことを言った。
「主人と話し合って、家族で田舎に帰ることに決めたの。それが一馬のためだと思うから。……あの子も納得してくれたわ」
「――え……」
突然のことに頭の中が真っ白になる。
田舎に帰るってことは、つまり引っ越すってことだよね? 一馬……転校しちゃうってことだよね?
声にならずただおばさんを見つめることしかできない。



