「みんな席につけ~」

そう言って担任がゆっくりと教室に入ってきた。

担任は全員を見渡すと「はあ」とため息をついた。

「あいつは何度遅刻すれば気が済むんだ……」


ドタドタッ


廊下から全速力で誰かが走ってくる。

ガタンッ

勢いよく教室の扉が開いた。

「みんなおはよう!」


大声であいさつをした大輝は何事もなかったかのように自分の席に向かった。

すると大輝と目が合った。

これはまずい……

そう思い急いで目をそらした。

しかし遅かった……

「おはよう王子!きょうもかっこいいぜ!」

クラス中で笑いが起こる。

これだから王子というあだ名はいやなのだ。

俺は窓の外を見た。

このように俺の1日が始まる。