「わからないだろ」

と私に優しく言った。

「本当は行きたい……」

彼の言葉に思わず本音が出てしまった。

「そうか」

彼はうれしそうに私を見た。

その笑顔につられて笑ってしまった。

「なんか2人ともいい感じじゃねえか」

大輝がいきなり視界の中に入りびっくりした。

周りを見るとみんなの姿があった。

「いや、これはね」

「結姫も花火大会行きたいって」

と戸惑っている私をかばうように柊馬は言った。

「おお!」

「じゃあ行こう!」

「いや、気が早いでしょ」

「まだ病院からの許可がおりるのかもわからないんだから」

「そうか」

みんなが次々に笑いだす。

子どもたちは何が起こっているのかわからないといった様子で、みんなぽかーんっとしている。

その光景がとても不思議で面白かった。