結局ケンカに勝ったのはみさとだった。

大輝は小さな声で文句を言っている。

すると大輝がいきなり昂の方を見た。

昂は何かを察し、目をそらした。

しかし遅かった。

「なんだよ~昂も俺を心配して来てくれたのかよ~」

大輝は昂をつんつんとつついている。

昂は手を振り払い「帰る」と言って病室を出ようとした。

「すみませんでした!」

大輝が必死に謝ると昂は彼をにらみながらも元の場所へ戻った。

それから夕方になるまでいつものようにみんなで話をしていた。

「そろそろ帰ろうか」

「そうだね」

「うん」

「早く帰ろ」

「じゃあまた」

そう言って俺たちは病室を出た。

「今度はいつ来る?」

「明日?」

「もう来なくていいでしょ」

「うんうん」

「2人とも……」

4人で話しながら廊下を歩いていると

ドンッ

誰かとぶつかってしまった。